楽園追憶

日々のオタクコンテンツの感想や、昔のpcゲーについての思い出を書くブログ

絶対少年というアニメについて

 NHK-BS2で今期始まったアニメで「絶対少年」。
 BSを見ている知り合いが少ないせいか、あまり話題にはなっていない。
 でも、これが今のところいい感じなので感想を書きます。

EMOTION the Best 絶対少年 DVD-BOX

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描写の端々に丁寧さを感じる良作

 とんでもなく凄い、とかそういうレベルではないんだけど、作品世界といいキャラクターといいシーン描写といい、とても丁寧につくられている。
 キャラクターの動かし方とかも派手さはないんだけど、いちいち丁寧な手法でキャラが立っている。といっても、近頃はやりの属性やら派手な動き、つまり“芸人的”なキャラ作りはしておらず、セリフ回しもいたって普通なんだけど、それぞれの生活とか周辺事情のようなものをさり気なく出し、セリフではなくキャラクターの行動を見せる。とても丁寧で、昨今のアニメではあまり見かけない上品?というか、うまくえいないけど品のあるやり方。まあ、やり方に品があっても、やってることは時々エロかったり、フェチだったりするけど(笑
 それほど鼻につくところがないとでもいうか……

 同じく今期始まったアニメであるエウレカセブンと比較すると、とても対象的。

 一応断っておくけど、本来、この2作品は比べるような作品ではないと思っている。作品の質とでもいうものが全く違うように思える。
 あくまで同じく今期始まった作品で、知り合いも大半は見てるし、まったく知らない作品を比較対象としてあげるよりも伝わりやすいかと思った、というのが比較対象としてあげる純粋な理由だ。

 エウレカセブンというアニメは、たぶん昨今のアニメのフォーマットをそのまま踏襲しているアニメで、踏襲しつつも、あらゆる面で完成度が高い。作画の質や動き、といったアニメ的な質も高いけど、ストーリー的にも毎話盛り上がりもあるし、見る側を飽きさせない展開。笑いあり、シリアスありで盛りだくさん。見る側へ伝えたいことも、きっちり解りやすい言葉でキャラクターに言わせ、それでいてそれほど諄くない。ややゲーム的な設定が多めだが、それは近頃のアニメではよくあることだし、マルチメディア展開(商法ともいう)を織り込み済みの作品なんだから、それは当然だろう。ゆうなれば近頃のアニメの優等生、近年まれに見るいい作品だと思う。
 そう、文句のつけようもなく面白い。よくできたエンターテイメントだ。そしてそれ故に、それが時々ひどく鼻につく。あまりにも(当然なんだが)アニメ的、ゲーム的なモノが、そういう香辛料にならされまくった舌にさえ「いや、もういいから……」と感じてしまうことがある。
 知り合いでエウレカセブンを「子供に見せるにはもったいない」といった人がいる。
 が、正直、エウレカセブンは子供向けの作品ではないと思う。一応言っておくが倫理的とかストーリー的に、とかそういった理由ではまったくない。個人的には人間ってのは子供のころほど倫理観にかけ、悪食が多いと思っている。あたりまえなんだけどね。
 エウレカセブンを子供向けと思わない理由。エウレカセブンがあまりにもオタクフュチャーとでもいうべきフォーマットを踏襲しすぎていると思えるからだ。
 そう、エウレカセブンはある程度年のいったオタクには受けがいいだろう。そしてエウレカセブンを面白いという子供は、おそらくその年にしてオタク、もしくはオタク予備軍なんではないだろうか。じゃあ、昨今の子供が面白いと思っているアニメってなんなんだ?とか聞かないように。そんなの知らん。子供に聞け(笑

 対して絶対少年は、表面的には昨今のアニメのフォーマットを踏襲しているといえるけど、内実はそれを重んじているとはいえない。上のほうで「丁寧で品のある」とかいったけど、逆に日常描写を重んじる作風は、人によっては平坦なシーン描写としか写らず、ひどく退屈なものにも見えるのではないだろうか。また、キャラクターたちの日常的な行動というのも、キャラクターの内面を際立たせるほどではなく、つまり「主張にかける」と写るかも知れない。もちろんそれが後につながる伏線でもあるってのは予想できるが、それにしても地味だし、イコールつまらない、と判断されかねない(というか、すでにされているっぽい)。
 ただ、絶対少年には今のところ、鼻につくところがないのだ。個人的に。
 いいところについては上でも書いたので再度はかかないが、その丁寧な作品作りから、いい作品が生まれてくる可能性は感じる。

 なぜ、エウレカセブンは鼻につくことがあって、絶対少年にはそれを感じないのか?
 うまくは言えない。
 ただ、エウレカセブンはあまりにも“商売臭”というでもいうものが強いからかも知れない。

 商売という言葉を出すと、イコール悪いモノ、と思うひとがいるかも知れない。
 ので、これまた断っておくけど、私自身は(基本的に)“いい商品”“商売価値が高い商品”というのは“いい作品”であると思っている。ただ、その逆がイコールではないというだけで。

 さてここまで書いておいてなんだけど、視聴を続ける可能性については、今のところエウレカセブンのほうが断然高い。逆に絶対少年はこのままでいけば視聴をやめるかも知れない。
 「おいおい、そりゃどういうことだ」というなかれ。
 もちろん、絶対少年はいい作品になる可能性を大いに秘めていると思うし、エウレカセブンアクエリオンやらといった、あまりにもいろいろと“濃い”作品ばかりが多くなってしまった昨今、貴重であり新鮮であるのも確かなんだが……正直、前期のファンタジックチルドレンレイニー止めも真っ青のお預け(最終的にはその我慢も報われたけど……)を体験した身としては、あまりにも長いお預けには耐えられそうにないのだ。

 それゆえに、絶対少年には是非是非、中庸を行って欲しいと思う。
 まあ、今のところ問題なく面白いからいいんだけどね。

 それにしても、絶対少年を見ていて真っ先に思い浮かんだのが 果てしなく青い、この空の下で・・・。だという時点で、自分の人種を再認識できるというものだ。